災害

【さあこれからだ//7 生き物はみな被害者だ=鎌田實】

Y隊員より・・

「早川日記」さんより転載です。


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みやびさんのブログからです。↓

http://ameblo.jp/miyabi-0114/entry-10940950655.html


【毎日新聞】に掲載されているコラムからの記事になります


【さあこれからだ//7 生き物はみな被害者だ=鎌田實】


6月初旬早朝から福島県南相馬市の巡回診療に行った。途中、飯舘村で何箇所か、放射線量の測定を行った。測定したなかで最も高い地点では毎時18マイクロシーベルトであった。福島第1原発から北西へ向かって、帯状に高汚染地域が広がっている感じがする。高い。想像以上に高い。
チェルノブイリの汚染地帯を20年間見てきた。40キュリー以上の高汚染地は強制移住させられた。

日本の使用している単位でいうと1平方メートル当たり148万ベクレルになる。
148万ベクレル以上の地域が福島県のなかに約600平方キロあると推測されている。チェルノブイリ程ではないが、チェルノブイリに近い汚染を起こしている。格納容器が破損して、今も放射性物質の放出が続いている。チェルノブイリのような、コンクリートで覆う石棺が必要になるかもしれない。核燃料が格納容器の外に流れ出すメルトスルーが起きている可能性が高く、大地や海を汚さないために、地下ダムが必要になるかもしれない。

悲惨なのは人間だけではなかった。
津波に流された犬や豚がいた。
彼らには津波なんて何がなんだかわからなかっただろう。
こわかったと思う。
その上、見えない放射能。

生き物はみんな被害者だ。
海は汚れ、魚も、貝も、海藻も、汚れた。
無念だろうなと思う。
大地が汚れた。
ホウレンソウだって、キャベツだって、キノコだって、悔しいと思う。

原発20キロ圏に犬だけで5800匹いたと推定されている。
たくさんのペットが放置された。
飼い主はみんな2、3日と思っていた。
飼い主が冷たかったわけではない。
見えない放射性物質がこんなに長く、遠くへ、大量に、この福島に降り注ぐとは思わなかった。
犬の首輪を放してあげられなかった飼い主は悔しいだろうな。

諏訪中央病院の緩和ケア病棟に70歳のスキルス胃がんの患者さんが入院していた。

テルコさんは動物が大好き。
1人暮らしだった。
つがいのインコを飼っていた。
鳥を病院に連れてくるのは難しい。
鳥は感染症を起こす可能性がある。
本人も承知している。
どんなにおなかが痛くても、餌をやりに家に帰った。
しかし、徐々に病気が進行していった。
家に行けなくなった。

緊急に病棟でミーティングが行われた。
ベランダならば、インコを置いてもいいことになった。
テルコさんは喜んだ。

ぼくが診察に行くと、
「あ~ら、カマタ先生」

と頭の上のほうから、異常に高い声でぼくを歓迎してくれる。

「私と鳥と一緒にすごす時間を看護師さんたちがプレゼントしてくれました。でも、あとわずかな日数だとわかっています。ベランダに餌をやりにいくのが楽しみです」

その翌週、ぼくは福島にボランティアに入った。
茅野に帰ると、彼女の病室を訪ねた。

「あーらカマタ先生」

低い声だった。異常に高い元気な声はなかった。

「もう会えないかと思っていた」とぼくの手を握った。
目に涙がたまってる。

ぼくは、窓に目をやった。
鳥がいない。

「あれ、どうしたの」と聞いた。

「放してあげたの。私は自分が亡くなる前に、インコを自由にしてあげたかった。いよいよそのときが来たと思ったの。私も鳥も大事なのは自由。たぶん病院の林のなかで、私の命を見ていてくれると信じています」

「やさしいんだね」とぼくは声をかけた。

「聞いたよ。500万円を福島の20キロゾーンのなかにいる動物を救うために寄付したんだってね。えらいね」

テルコさんはにこっと笑った。

「えらくなんてない。どんな命もみんな大事。原子力で、人間が勝手な間違いをして、動物がつらい目にあっているのがしのびなかったの。だから、私にできることをしただけ」


それから1週間、いよいよ体力がなくなってきた。
トイレにも立ち上がれない。

「先週、20キロ圏に入ってきたよ。動物のために寄付したお金、きっと役立っているよ。内陸側には餓死した犬や豚がいたらしいけど、ぼくが歩いた海岸沿いの集落には、テレビで見たような細くなった牛や、つながれている犬や、悲惨な状況の動物を見なかったよ。テルコさんのお金で、動物が好きな人が、動物を守りに入ったんだよ」

「先生、うれしい。確かめにいってくれたの」

「いや、20キロ圏で働いている人たちの健康管理のために入ったの。でも、テルコさんの心配している動物のことがとても気になっていた。注意してみてきたよ」

人は自分だけのために生きているのではない。
みんなだれかのために生きたいと思っている。
テルコさんは今、自分のために、必死に生きている。
同時に、鳥や犬や牛のために、最後の力をふりしぼっている。
生き物はみんなつながっている。

福島の事故の後、命はみんなつながっていることに、これでもか、これでもかと気がつかされる。

大切なことを忘れるなよと教えてくれているようだ。

ポスト・フクシマ、困難のなかをどう生きるか。見えてきたような気がする。

この大地に生きるすべての生き物を大切にする生き方が大事。

それには、とにかく、まず、福島原発の放射能を止めないといけないと思った。

(医師・作家、題字も)=次回は16日掲載

毎日新聞 2011/07/02


・:*:・:*:・・:*:・:*:・・:*


長いですが、最後まで読んで頂き有り難う御座います

今を懸命に生きる動物たちも…
懸命に生き、力尽きた動物たちも…
そして、力尽きた人間たちも…

残された私たちにきっと、こう投げかけている

「大切なことを忘れるな」

と…

命を軽視する人間に、復興なんて出来る訳がない

今生きている命を救おうともしない人間に、復興なんて出来る訳がない

今この時だって、私たちの周りには、外を覗けば、すずめやハト、猫や散歩する犬…

同じように息をして、心臓を動かし生きている

同じように一生懸命生きている


……………………………………………………………………………… (転載以上)



中日新聞「発言」より転載。(2010年9月の記事です)


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


今年は「国際生物多様性年」である。それに伴って、名古屋では生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が開催される。

その生物多様性とはそもそもどういうことなのだろうか。私たちが住んでいる地球上には人間だけでなく、いろいろな生き物が存在している。そして人間は、生きるためにたくさんの生き物とつながっている。また、私たちが呼吸をするための酸素は植物がつくってくれている。

食事をするときだってそうだ。私たちは、いろいろな生き物によってつくられた物や植物を食べて暮らしている。毎日の何げない生活の中には、多くの生き物が関係しており、みんな連携しながら生きている。私たち人間は、そのことを常に意識しながら生活していくことが大切だと思う。

私は、そのすべての生き物に感謝し、生き物を大切にしていきたい。そして、たくさんの人にも生物多様性について知ってもらいたいと思う。


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人間は「命」をいただかなければ生きていけない。

どんなに小さくとも、すべての命に感謝!!
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by cjl82810 | 2011-07-03 23:01 | 災害 | Comments(0)

動物たちと人間の交流を通して、生命のことを考えてみるきっかけにしてほしいと願っています。放置された動物たちのレスキューにも参加しています。2011年9月1日NPO法人設立致しました!岐阜県中津川市で活動中


by NPO法人 命の応援隊
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