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六日間の牢獄

Y会員より・・

昨日12月28日はお役所の御用納め。
保健所業務は年明け4日からとなります。

年末に迷い犬として保健所に収容され、公示期間により、年末年始を保健所犬舎の狭い檻の中、牢獄状態で過ごさねばならない犬は、日本中ではたして何匹いるのでしょうか…

考えてもみてください!
狭い檻の中に、中型犬、もしくは大型犬が一匹入っていて、そこにはタップリの水と餌が置かれ…

その状態で、彼は六日間を、その檻の中で過ごすのです。

何かの拍子で水が汚れてしまっても、六日間はその汚れた水を飲むしかありません。

水の入れ物をひっくり返してしまったら、その時点で彼の飲み水はなくなります。

いくら大量に餌をもらったとしても、六日間はもたないでしょう…

後半の何日かは、空腹に悩まされることになります。

生きている限り、食べ物を食すれば、私たちは排泄します。
犬も然り。

すると、浮かんでくる構図は…

六日間、牢獄状態で、彼は狭いスペースの中で餌を食べ、水を飲み、それらが切れれば空腹と喉の乾きに苦しみ、食べれば排泄するため、糞尿は六日間、容赦なく生活スペースを汚していく。

しかも彼は、糞尿にまみれた場所で寝ることを強要される。

もちろん、糞尿の横で、食べたり飲んだりすることになるわけです。

これが人間だったら…

きっと、ストレスから体調を崩してしまうに違いありません。

こんな不条理が毎年繰り返される、動物愛護大後進国、日本。

「たかが、犬」という考え方を改めない限り、これからも、愚かにも繰り返されていくのでしょうか…

犬だって、私たちと同じ、「たかが、犬。されど、犬」なんですよ!




私が年末、一番心配するのが、この迷い犬が収容されることなのです。

今年はそれがなくて安心していたのに、最後の最後、御用納めの日の、保健所が閉まる夕方5時近くになって、その犬は犬舎にやって来ました。

歩行もおぼつかないテリア系雑種、首輪なし。
かなりの大柄。

年老いて、庭で放されて飼われていて、何かの拍子に脱走してしまったのでしょうか。

ただ、体毛に木の実がついてないし、汚れてないので、逃げ出してからそんなに時間がたってないと予想されました。

でも、どのみち、保健所は間もなく閉まってしまうし、気の毒に…年末年始は牢獄か…と、不憫でならなかったのですが…

なんと!

その後、飼い主さんが判明!
定刻を過ぎた夕方6時近く、飼い主さんのお迎えがあり、そのテリアくんは帰っていきました。

スゴい!スゴい!
ぎりぎりセーフ!でした。

迷い犬を捕獲に行ったのが遅い時間で、職員さんも遅くまで残っていたのがさいわいしました。

よかった~

よって、年末の犬舎は空っぽです。




今年一年、保健所に持ち込まれたたくさんの子たちが、しあわせになりました。

しかし、それよりも、もっと多くの子たちが、願い叶わずお星様になりました…


きたる新しい年…

動物を取り巻く環境が、彼らにとって、よりやさしいものになりますように…

そして、ひとつでも多くの小さくても尊い命が未来へと繋がるよう、願ってやみません。
by cjl82810 | 2011-12-29 17:07 | 保護活動より