2010年 10月 29日
知ってください!脳脊髄液減少症…Sさんの場合
Sさんは脳脊髄液減少症を患い、仕事も休職となった昨年5月、この病気に有効と言われている
『ブラッドパッチ療法』
を受けました。
その後、少しずつ体調も回復して、今年10月から仕事復帰することができました。
「ブラッドパッチ」とは、患者さん自身の血液を硬膜の外側に注入するもので、髄液が漏れる原因となる穴を埋める効果があるそうです。
しかし、ブラッドパッチは、効果的な療法とされながらも、保険が適用されません。
よって、高額な治療費がかかってしまうのです。
脳脊髄液減少症で苦しんでいる方は日本国内で20万人~30万人と言われているようです。
Sさんに、いろいろお聞きしました…
たぶん、この病気とわかるまで試行錯誤があったと思うのですが、そのあたりをお聞かせください。
★自分はあることがきっかけで頭に強い衝撃を受けました。
その直後から激しい頭痛、めまい、吐き気が襲い、翌日、病院で検査をすると
『異常なし』
と言われ、そこからドクターショッピングがはじまり12件の病院にかかりました。
症状発症から1年8ヶ月が経過し、13件目の病院で脳脊髄液減少症を疑う医師と出会い、専門医の居る、広島県にある福山医療センターを紹介してもらい、検査を受けたところ脊髄液の漏れがわかり、昨年5月にブラッドパッチを受けました。
あと、健常者に伝えたいことがあれば…
★見た目で判断するのはやめてほしいですね。
見た目の外傷が無いので、仮病扱い、精神的なものだろう、とよく言われていました。
『身体は悲鳴をあげているのに誰も理解しない』
これが一番辛かったです。
でも今は無事、社会復帰ができました。
『同じ病気で悩み苦しんでいる方の励みになれば』
と思っています。
…もし、あなたの傍らに脳脊髄液減少症状の患者さんがいたなら、どうか理解してあげてください。
そして、この病気を回りの人に伝えてください。
患者さんの苦しみは、健常者には到底わからない…
でも、病気が世間に認知されれば、患者さんを取り巻く環境はもっと、もっとよくなるはず…
もっと、もっと「脳脊髄液減少症」を知りましょう!
患者さんの明日が、真の意味での「明るい日」となることを、心から願っています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「脳脊髄液減少症」とは…
事故、スポーツ事故、暴力、出産などの衝撃で、脳や脊髄を包んでいる硬膜に穴があき、そこから髄液が漏れ出します。
すると、髓液に浮かんでいた脳が沈み、激しい頭痛や全身障害を発症します。
普通の病院へ行っても原因がわかりません。
この病気にかかっている本人がいくら頑張ろうとしても、身体がついていかないのです。
この病気は、まだ幅広くは認知されていません。
ゆえに、病気を理解していないまわりの人から、お世話になっている医師からでさえ「なまけ者」と罵られるのです。
この病気を発症した人は、この矛盾と日夜闘っているのです…